厚みもおいしさの要素~ゴリラのサブレ~
2021年09月15日
今でこそ色々な焼菓子をお店に並べていますが、開店から割と早い段階からずっと並べているお菓子に『サブレ』があります。
会社のロゴマークであるゴリラの形をした、飽きのこないシンプルなお味をした根強い人気のお菓子です。
最初このサブレは今よりも薄い厚みで焼いていました。
その時はもちろんそれで美味しいと思っていたのですが…
ある時、何かのきっかけで少し厚みを変えて焼いたことがありました。
まぁ、いつもと変わりはないだろうと思って食べてみると…「こっちの方がおいしい!」と思いました。
私だけでなく他のスタッフにも食べてもらうと皆が揃って「こっちの方がおいしい!」と。
『おいしい』の条件の一つに〈厚み〉も関係しているんだ、ということに初めて気付いてびっくりしました。
サブレと聞くと『鳩サブレ』を思い出す方も多いと思いますが、しっかりとしたあの厚みも
鳩サブレのおいしさにかかわる大きな一つの要素となっているんでしょうね。
サブレの時とは少し違いますが、自分でお稲荷さんを作った時にも同じような発見が。
あるテレビ番組でお稲荷さんの作り方をやっていて、それを見ていたら突然お稲荷さんを作りたくなった私。
お恥ずかしながらそれまで自分で作ったことはなかったのですが、油揚げの処理がきちんとできれば
美味しいのができるだろう、くらいに考えていました。違うんですね~(笑)
私の作ったお稲荷さんは中に入れるご飯を強く握り過ぎていて、口に含んだ時にご飯がホロホロとほどけない…
口の中は〈酢飯!〉、〈油揚げ!〉と別個のものが存在している状態。
両者がうま~く混ざり合うくらいのご飯の握り加減がお稲荷さんのおいしさの条件び一つなんだな~ということに
ウン十年生きてきて初めて知りました。
素材自体の美味しさ、素材の組み合わせやそれぞれの素材をどんな割合で使うのか…この辺りがおいしさの要素となっていることは容易に想像できますが、噛んだ時の噛み応えというか、ほろほろと口の中で食べ物がほどけていく感じというのも
おいしさの決め手になっているんですね。
人が感じる『おいしい』っておもしろいですね。
『おいしい』の条件は他にどんなものがあるんだろう?
あの時以来の私の興味関心の一つです。